2009年6月6日土曜日

麻丘めぐみさん Ⅱ

今朝の最低気温は14.8℃。朝から夕方まで曇りの天気が続きました。最高気温は19.9℃です。

麻丘めぐみさんⅡ
1970年代を象徴するアイドル歌手。チャーミングな容貌、お姫様カットの長い黒髪、抜群のスタイル、潤いを帯びた歌声で70年代を席巻。

前回よりの続き。
歌手デビューに向けて。

いよいよ、めぐみさんはビクターからデビューすることが決まりました。
ビクターにとってのアイドル第一号です。
デビューが決まれば歌のレッスンをしたりして準備をするのですが、めぐみさんは一度もレッスンをしたことがなかったそうです。そのため、めぐみさんはある一定の型にはまることもなく、色々な楽曲に柔軟に対応できる歌唱力、表現力を持ち続けることが出来たのです。
そうしてレコーディングされたのが「芽ばえ」です。
作詞は新進気鋭の千家和也、作曲は当時すでにヒットを出していた筒美京平、編曲はストリングスを得意とする高田弘の作家人が担当します。
筒美京平さんは、めぐみさんの声の特徴を中音から高音に掛けての泣き声だと、そして、その泣き声は日本人が一番好きな音色だと言っています。またレコーディングの際、千家・筒美両氏から歌い方について一度も注意をされたことがないそうです。筒美京平さんは、いつも「普通に歌えばいいから」「楽しく歌えばいいから」としか言わなかったそうです。
芸名は当初、丘めぐみをビクターから提案されたそうですが、そこに麻を付けたのがめぐみさん。めぐみさんとビクターの合作の芸名です。
そして6月5日に「芽ばえ」で歌手デビューします。
発売と同時にキュートな顔立ち、チャーミングな容姿と潤いを浴びた歌声、チョット切ない歌詞、心地よいサウンドでヒットチャートを駆け上がっていき、瞬く間にトップアイドルになってしまいます。
また、発売前に各放送局のオーディションをトップで通過、デビュー当日の夜の歌番組に早くも出演しています。歌番組に出演するには放送局が行うオーディションに合格しないと出演できませんでした。めぐみさんはレコードの発売と同時に各放送局の歌番組に一斉に出演できたのです。
めぐみさんは当初、一部の人に歌が下手だといわれました。それでは本当に下手だったのか。そんなことはありません。「芽ばえ」が発売された時、非常に強いエコーがかけられていました。テレビの歌番組、特に生放送などで歌う声は生の声だったため、エコーのかかったレコードの声と違うためにそういわれたのです。また、一般的にエコーを強く掛けるのは下手な歌を隠すためとも言われていました。
ただ、この「芽ばえ」を聞くと歌だけではなくサウンドにも強いエコーがかけられていることがわかります。エコーは楽器群ごとに別々にかけられミキシングされています。
また編曲をストリングスを得意とする高田弘さんが担当したため、ストリングスが美しいとても快いサウンドになっています。そして元ビィレッジ・シンガーズの笹井さんがディレクターだったため、音作りにこだわり、「芽ばえ」のもつ雰囲気、めぐみさんの声質、ストリングスに重点をおいたアレンジなどから、あの強いエコーをかけたのだと思います。
そして出来た「芽ばえ」は、聞いていてとても快い楽曲になっています。このような雰囲気を持つ楽曲は、ほかに見当たらないと思います。

YouTube 芽ばえ
 http://www.youtube.com/watch?v=n9uh-MDVQrw
芽ばえの歌詞
 http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=53802

チョット話がそれましたが、下手な歌はエコーを強くかけてもやっぱり下手な部分は隠せません。
今回発売された『Premium BOX 〜オリジナル・アルバム・コレクション〜』の中のDVDに、全員集合で「芽ばえ」を歌う映像が収録されています。この声はエコーのかかっていない生の声ですが、音程もしっかりしていて歌い回しもとても上手で、めぐみさんの初々しさがよく出ています。
「芽ばえ」は発売後順調に売り上げを伸ばし、1ヶ月後にはTOP10入りし、3ヵ月後にはオリコン3位になっています。新人としては異例の大ヒットを記録することになります。
(次回に続く) (敬称略)


参考資料、麻丘めぐみ応援会HP、めぐカコさんのブログ「麻丘めぐみアルバム」、Premium BOX ライナーノーツ、他